このコーナーは、まちづくりフォーラム港南の[ころBOX] こうなん地域情報交流事業が運営しています。
ころBOX〜港南地域情報交流事業
ころBOXは、港南区周辺でまちを暮らしやすくするための、様々な非営利活動を応援する情報交流プロジェクトです。
ころBOXレポート>心耳と手話で心通わす仲間たち
   

心耳と手話で心通わす仲間たち


レポート:沖賢二郎・山本
取材日:2006年4月

   


●聴覚障害者は外見では判らないので、目に見えない障害と言われているが、事故や病気で聴力が衰えた中途失聴者、母親の風疹などで生れ付き耳が不自由なろう者、広義では高齢とともに耳が遠くなった人たちなど、その原因はさまざまである。聴覚障害者は障害者手帳交付人数統計によると、平成17年3月31日現在、横浜市に7,218人、港南区内では464人の人たちが在住している。
障害者へのバリアーフリーが提唱されて久しいが、未だに満足できる状態とは言い難い。特に、突然襲ってくる災害に際し、聴覚障害者は情報の確保が難しいため、恐怖心が増幅してパニック状態に陥りやすいようだ。日常生活の営みでも、円滑な意思の疎通に支障をきたしがちで他人の誤解を招きやすく、疎外感にさいなまされている聴覚障害者もいると言う。案外、わたしたち健聴者はそのことに気付いていないのかも知れない。
聴覚障害者の中でも、ろう者との交流の仕方は手話が一般的で、手振り、身振り、唇の形、顔の表情などでコミニケーションを図ることができる。その手話でろう者と交流している人たちがいる。上大岡の街角で見掛けたトピックスとして紹介したい。

そのグループの中心は、明るく小柄な女性のろう者のSさんと、おしどり夫婦で評判のH氏夫妻(元喫茶店のオーナー)で、障害の有無にかかわらず対等な立場で馴染んでいる。ボランティアのような形式的な認識は希薄で、そのおごりも気負いもなく、井戸端会議の延長線で話題を楽しんでいる。他のメンバーは孫の子守やパート勤めなどで時折り入れ替わるが、H氏夫妻とSさんは自然体で十年以上もお付き合いが続いているそうだ。
時には、乞われてSさんの健康診断の付き添いなど、下町の隣近所のお付き合い感覚で接しているが、その信頼関係の深層には神聖な心遣いも感じられる。一方のSさんも、週末の昼下がりに某所に集うH氏夫妻や健聴者たちと、ボランティア精神で手話の指導をまじえながら会話を楽しんでいる。
たまにはSさんの意を汲んで、H氏夫妻がグループのメンバーに声を掛け、食事に出掛けて旬の味覚を楽しんだり、少し遠出して四季折々の花鳥風月を満喫したりもしている。ろう者は研ぎ澄まされた豊かな感性で、視覚をとおして小川のせせらぎや小鳥のさえずり、音の風景さえも感じ取ることができるようだ。寄り添うように集う人たちの交流の場は、表情豊かに手話が飛び交い、いつも和やかな漂いに包まれている。
ろう者も健聴者も人生の喜び方に大きな差異はない。ろう者支援にはその制度やインフラ整備にとどまらず、娯楽や旅行ガイドなどの領域にも傾注したいものであるが、まさにH氏夫妻は無理なく一緒に楽しさを共有している。微笑ましい限りである。これからも、気さくな友情の絆をはぐくみ続けるに違いない。
ろう者と健聴者との交流は、決して特別なことではない。ごく普通のことである。ただ、不慣れなために戸惑う人がいるのも事実。手話がそれを解消する一助であるが、手話の技量の習得以上にレクリエーションなどを通じて、日頃のお付き合いの中でお互いの心の交流こそが極めて肝要である。

先日、H氏に誘われてそのグループのお花見に、<しゃべり場>のメンバーの山本さんと一緒に参加した。高校三年生の山本さんは、久良岐公園の桜の下で、Sさんたちのメンバーと手話を駆使してにぎやかに溶け込んでいた。メンバーたちの慈愛に満ちた眼差しが、孫娘を愛でるかのように山本さんに注がれ、風に舞う桜の花びらとともにお花見の雰囲気をなごませた

レポート:沖賢二郎
取材日:2006年4月

 





●閑散とした平日の久良岐公園で、表情豊かに手話を飛び交わせ、賑やかにお喋りをしながらお花見を楽しんだ。



●閑散とした平日の久良岐公園。

■山本瑞穂の所感
先日、上大岡駅の裏側にある久良岐公園のお花見会に参加しました。その日は快晴でしたが、とても風が強い一日でした。私は手話は多少出来ますが、ろう者や難聴の方と実際に話す体験は少なく、ほとんど、この日が手話デビューとなりました。待ち合わせ場所に行き、まず手話を使って自己紹介をしました。何十とある手の動きを解読します。まず大切なのは、手話がうまい下手ではなく、伝えようとする姿勢です。手話だけが伝える方法ではないので、チャレンジし、慣れることです。
私はぎこちない手話を使って自己紹介をしました。何が手話を勉強する意欲につながるかと言ったら、相手に自分の伝えたい気持ちが伝わることだと思います。私は緊張が一気になくなりやっと笑顔を取り戻すことができました。
それから公園まで歩いて行きました。桜の木の下のテーブルにお菓子を並べ、向かい合い、それぞれに手話で会話を楽しみました。いまどきの手話を教えてもらったりもしました。夕方近かったため風が強くなり、二時間ほどで駅に戻り解散しましたが、何か今日は新しい世界を体験したような、とても私にとって大切な日になりました。
今日手話で会話をして、改めて感じたことは「人と人との心の距離が近い」ということです。当たり前ですが、普通の会話は耳で感じます。しかし、手話は見ないと伝えたいことが分からないのです。
今の時代、親と子どもの間に隙間がある家庭が増えてきたようです。話している相手と向き合って話をする機会が減っているように思えます。手話は手で会話します。自然な形でお互いが向き合い、目を合わせて会話を楽しむのです。そんな会話をする方たちは、表情が豊かで、今日一日中、私は笑ってばっかりだったと思います。障害を持っている方たちは、決して「かわいそう」なんかではありません。人間なんらかの障害を持っているわけです。これから、今以上にもっとたくさんの方たちに理解の輪を広めていきたいと改めて感じました。


 





●レポーター山本さん


 

     

■手話の活動紹介
若い人たちが、手話に関心を持つことは喜ばしい限りであるが、一般の人も日常生活の中で少しでも手話に馴染んでほしいと思う。これを機会に手話の一層の普及に期待したい。
手話に興味のある方は、以下にご案内する港南区内の手話サークルの活動内容等を参考にして、生涯学習支援センターにお問い合わせ願います。
場 所 : ゆめおおおか オフイス タワー 17階
電 話 : 045−841−9361  FAX :045−841−9362

@【手話学習グループ「なごみ会」】
活動場所・時間:港南公会堂・木曜日(月3回)、18:30〜20:30
会員数:10人(男1人、女9人)、 
会費:2千円/月(学生千5百円)(入会金:5百円)
@【手話サークル「ひよこの会」】
活動場所・時間:野庭中学校・毎週水曜日、14:00〜15:30
会員数:15人(男0人、女15人)、 会費:5百円/月
@【手話サークル「たけの子」】
活動場所・時間:港南公会堂・火曜日、19:00〜21:00
会員数:29人(男10人、女19人)、 会費:3百円/月(テキスト代:千4百円)
@【手話サークル「グーチョキパー」】
活動場所・時間:南高等学校・火曜日(月2回)、10:00〜12:00
会員数:17人(男2人、女15人)、 会費:5百円/月
@【手話サークル「手にことばを」】
活動場所・時間:港南区福祉保健活動拠点3階・毎週木曜日、10:00〜12:00
会員数:40人(男0人、女40人)、 会費:3百円/月
@【木曜手話の会】
活動場所・時間:港南区福祉保健活動拠点・木曜日、13:30〜15:30
会員数:30人(男2人、女28人)、 会費:3百円/月

 

 


●しゃべり場の会合の様子


レポーター

山本 瑞穂(しゃべり場のメンバー)・神奈川県立横浜南陵高等学校三年
第22回(平成17年度)全国高校生手話によるスピーチコンテスト一位
(全日本ろうあ連盟などの主催)
■沖 賢二郎(ころBOXレポーター)

 

<しゃべり場>
しゃべり場のメンバーは高校生と大学生が中心で、主な活動はその名のとおり「しゃべる」ことを通して地域交流の場を広げていくこと。
今まで、地域ケアプラザやボランティア参加など様々な分野で活動してきたが、定例としては原則として毎週月曜日午後六時から、そよかぜの家の三階で活動。

※しゃべり場は2006年4月に「ひな」に改名しました。

   

 

 
 
私たちもころBOXを応援しています。
株式会社八千代ポートリー

このページのTOP
 

このコーナーは、まちづくりフォーラム港南のころBOX=こうなん地域情報交流事業が運営しています。

     
 
e-townHOMEへ
Copyright © 2004 まちづくりフォーラム港南・かみおおおかe-town. All Rights Reserved.